持ち上げない移動・移乗技術
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普及を目指す新たな介護技術

トルコで技術講習会を実施

2011年9月にトルコで「持ち上げない移動・移乗技術」の講習会を実施し、大変好評でした。

この研修が実現したのは、トルコ西部にある国立アクデニズ大学ジェロントロジー学科の学科長イスマイル・トゥファン教授と、村上郁子講師からの招聘によるものでした。

現地では、国立アクデニズ大学とナズィリ市にあるデイケアセンターの2カ所で研修を実施しました。この研修を通して感じたことは、移動や移乗などの身体的介護に伴って生じる様々な問題や悩みは世界共通だということでした。

人間が人間を持ち上げる技術は、介護者の腰痛を発生させると同時に、利用者を大きな荷物として取り扱うために、利用者を受け身にさせ主体的に動く機会を奪うといった問題があります。こうした問題を解決する方法が、ペヤ・ハルヴォール・ルンデの技術です。

トルコでは、大学の教員、福祉現場のスタッフ、利用者の方々から私たちが紹介した技術に対して、大きな関心と高い評価をいただきました。デイケアセンターで高齢の女性の方から、「今日私はこれまでとは異なる大きな価値の転換の場に立てたことを、嬉しくもまた誇りに思う」というメッセージをいただいたときには、本当に感激しました。

トルコの高齢化率は7.5%(2008年)、労働力人口が増加して2010年の労働力人口の割合は約76.2%で、今後3030年まで伸び続けると予測されています。またトルコは他国と比較して婚姻率が高い傾向があり、平均の初婚年齢も先進諸国が20代後半であるのに対しトルコは24.5歳と若く、若い力がトルコの成長を加速させると期待されています。

国立アクデニズ大学は、トルコ国内の大学で唯一のジェロントロジー学科を有する大学と伺いました。高齢化率が低く、大家族で生活する人々も多いトルコでは、まだ高齢者問題は大きくクローズアップされていないようです。介護は、家族が負っているとのことでした。しかし、イスマイル・トゥファン教授や村上郁子講師などの教師陣は、来るべき高齢社会を予測して、日本の介護保険制度に学びつつ、新しい社会福祉制度の設立を目指す様々な活動を行っていました。

アクデニズ大学での講習会

持ち上げない移動・移乗技術 トルコ語に翻訳したスライドを用いての講演
トルコ語に翻訳したスライドを用いての講演
持ち上げない移動・移乗技術 介護者がベッドに座り仰臥位から端座位にする方法
介護者がベッドに座り、仰臥位から端座位にする方法

デイケアセンターでの講習会

持ち上げない移動・移乗技術 介護するスタッフや家族、利用者が講習を受けている様子
介護するスタッフや家族、利用者が講習を受けている様子
持ち上げない移動・移乗技術 ベッドから、車いすへの移乗の実演
ベッドから、車いすへの移乗の実演
持ち上げない移動・移乗技術 講習会の合間に現地テレビ局からの取材を受ける
講習会の合間に現地テレビ局からの取材を受ける

デイケアセンター前での記念写真

デイケアセンター前での記念写真

イスマイル・トゥファン教授、村上郁子講師らと共に